マコなり社長のリストラ問題。炎上している原因を解説
今小さな話題になっているマコなり社長。
div社の大量リストラとその対処法が今youtubeやSNSで様々な議論を生んでいます。
しかし、実際にマコなり社長のとった行動は悪いものだったのか?
ここまで炎上する原因になったのは何だったのか?
私なりの見解について、様々な意見を元にしてまとめてみました。
ただ先に言っておきます。
私は、信者でもアンチでもありません。
それを踏まえたうえで読んでいただければ幸いです。
マコなり社長とは
マコなり社長とは、本名真子就有(まこなりゆき)といって株式会社divの代表取締役です。
youtubeでも活躍して、経営者と独自の視点から数々の人に役立つ情報を掲載しており、2021年8月現在では登録者数が約100万人を誇る人気youtuberでもあります。
このdivでは、プログラミングスクールである「テックキャンプ」を運営しており、アピールポイントとしては、
「転職率が90%以上」
と大々的に掲げているのが特徴です。
マコなり社長の独自論
マコなり社長は独自論ではっきりと言い切ります。
ただこれが賛否両論を生み、肯定派と否定派が分かれていて、中にはこの理論が嫌いという方もたくさんいます。
しかしこれに関しては他の理論を掲げる人も同様ですので、一概にマコなり社長だからとは言えないでしょう。
実際にビジネスで一度は成功している社長です。
何の努力もせずにここまで成り上がってきた訳ではありません。
運営するために必要なビジネスプランや基礎を一から作った実績、そしてここまで成長させるのにはたくさんの失敗や葛藤もあったはずです。
しかしそれでもここまで成長させて、今では知名度としてもトップクラスのスクールを運営しています。
「肯定論が強くなれば否定論も強くなる」
これは仕方のないことなのかもしれません。
炎上した理由
炎上した大きな理由の根源には今回の、
「リストラ問題」
がありますが、それに至るまでの経緯が問題だったと言えるでしょう。
それをいくつかに簡単にまとめました。
テックキャンプの過大広告
テックキャンプは前述にも書いた通り、
「転職率90%以上」
と大きく掲げています。
実際にスクールに通った人たちの声が悪評だったのが一つの要因でもあったようです。
- 高額な受講料を払って、実際に転職できなかった人が多くいる
- 未経験者からエンジニアと掲げているが、思った通りの成果が得られなかった
- そもそものカリキュラムを全て修了することが難しい
こんな口コミも多数見られます。
現在ではIT業界への需要が高まっているため、開校当時では大きな反響があったのでしょう。
そして「未経験でもエンジニア」「転職率90%以上」と掲げられていれば、ユーザーからの目も引きやすく、受講したい生徒が増えるのも当然です。
しかし、思った通りの実績を生み出すことができず、この悪評に繋がってしまったのかもしれません。
中には「詐欺だ」と言われる方も多くいます。
ただ私の見解としては、「高額な受講料を払うのだからこそ、自己責任な部分もある」という見方もあります。
そもそもの論点として「過大広告」をしたテックキャンプが良くないのかもしれません。
実際の転職率が数字以下であるならば、詐欺だと言われても仕方がないことです。
この数字を掲げずに、他の習得できるスキルなどをアピールポイントにしていればこんな問題にはならなかったはずでしょう。
しかし、基本的に実績のない会社にとっての広告宣伝は「過大」にする傾向は少なからずあります。
この転職率が実績と伴っているかを、申し込みをして受講料を支払う前にリサーチしておくのも自分の社会人としてのスキルであり能力であるのではないかと。
それができないと何をしても失敗する原因になりかねません。
スクールで学ぶメリットは、「独学では難しいからお金を払って教えてもらう」「独学で掛かる時間を受講料に変えて最短ルートを生み出す」こと、又は「カリキュラムを用意してもらい、より実用的な部分も学べること」にあるかと思います。
自分ではできない部分を補填してもらうためにあるのであり、「最終的な実績は自分で生むしかない」ということです。
自分が雇用されるには、企業にとって必要な人間にならないといけません。
ただこれが一定の知識を得ただけでそうなれるのか。
答えは「否」だと思います。
テックキャンプの中にもポートフォリオを作成して自分の実績を作るというものがあるようですが、それだけで評価してもらえるほど社会は甘くないでしょう。
自分がその企業に対して「何ができるのか」「どう貢献できるのか」そして「企業のビジョンにマッチしているか」がポイントになってくると思いますが、これは自分で作っていくしか方法がありません。
それでは、全てが受講した人が悪いのか?
それも違います。
そもそもは実績が無いのに「転職率」を広告に掲げたことが問題です。
評判を見ると、転職サポートの部分ではあまり良くないとも書いてあります。
こうなる前にはそんなことは誰にも分かりませんし、実際にマコなり社長事態もこうなることは予測していなかったでしょう。
ビジネスで成功してきた方は自分を基準に考えることが多い傾向にあります。
「自分も努力してきた」「自分もできたから誰でもできる」、こういったことを簡単に言いますが、実際に能力の差異は必ずあるのでそうとは言い切れません。
努力で埋めることができるかもしれませんが、元々の価値観が違うので見るポイントも様々でありそれも能力の一つでもあるのです。
今回のテックキャンプの方針として、マコなり社長の「自分を基準にした考え方」とそれに対する「安易な考え方」で今回のような結果が出てしまったのではないかと思います。
結果論になってしまいますが、「転職率」ではなく「転職に有利なスキル」を広告塔に掲げればこのようなことにならなかったのかもしれません。
新規事業のUNCOMMON(アンコモン)
2021年の1月にUNCOMMONを新規事業として運営することをyoutubeで発表しました。
「デキる人に生まれ変わる」と大きく掲げており、受講内容や料金、受講者の声などがホームページには掲載されています。
簡単な内容として、
- 思考力
- 文章力
- コミュニケーション力
この3つの分野を高め、実践方式で学んでいくといったことです。
費用としても約17万円と、一般的な感覚では高額な料金になっています。
ただこれも一部では炎上する結果になってしまいました。
それではこれが何故炎上する原因になったのか?
これにはいくつかの声が上がっています。
- 情報商材を高額で売りつける
- テックキャンプと同様で提示している満足度に対しての根拠が薄く実績がない
- そもそも内容的に怪しい
この「情報商材」といったワードがありますが、これをマコなり社長はyoutubeで否定しています。
情報商材の定義は以下の通りです。
情報商材(じょうほうしょうざい)とは、主にインターネットなどを介して売買される情報のこと。「情報」の内容自体が商品となるものである。
これだけ見ると別に情報商材自体は悪いものではありません。
世間一般的に悪とされているのは、これが詐欺などに使われることが多く、内容が薄っぺらかったり購入した商材自体に商品価値が無いことがあるからです。
このUNCOMMONで売り込もうとしていた内容は情報商材だったのか?
私の見解としては情報商材でしょう。
ただこれ自体に悪は感じません。
一定のスキルを情報として売買するのですから、それが高額であろうと悪いことではないからです。
このスキルが欲しい方にとっては「役に立った」と思った方もいるでしょう。
内容や捉え方によっては、高額と感じなかった人もいるかもしれません。
ですが、ここで問題なのはマコなり社長が情報商材であることを否定していることです。
大きなくくりとしては情報商材であることを認めていれば、ここまで怪しい商材に見られることは無かったでしょう。
世間体を考えて否定したのかもしれませんが、それが悪い声に結び付いたのかもしれません。
ただこれが情報商材とも言えると発表していても叩かれていたのは間違いないでしょう。
そもそも情報商材についての解釈が世間では「悪」として認識されて、実際に悪用されているケースが多いですし、本質の意味を理解せずに批判している人もいるからです。
そしてもう一つが満足度として掲げている数字の根拠が分からないということでしょう。
満足度が5点満点の内4.57点とされています。
これがどうやって評価しているかが不明です。
テックキャンプと同様にもし自社評価であれば数字の操作は可能になります。
最新で更新されているならば根拠として強くなりますが、ここ数カ月更新されていません。
そして受講者の声もありますが、これはどの宣伝広告と同様で真実かどうか不明ですし、基本的に悪い内容は載せないでしょう。
この点に関してはテックキャンプの件がありますから、社会的には信用は薄いと思います。
真実をしっかりと伝えれば良かったのでしょうが、実際の顧客満足度と掲げている内容に相違があったという過去の事例がありますから、不信感を持たれても仕方ありません。
その結果、怪しいという声が上がりこのように炎上することなったのでしょう。
私自身は怪しいとは思いませんが、信用できる内容とわざわざ購入したい内容ではないので興味はありません。
リストラ問題とMac100台プレゼント問題
今回の炎上の原因はこのリストラ問題とMac100台プレゼント企画でしょう。
FLASHの記事に掲載されてリストラ問題が浮き出てしまったことから、Macのプレゼント企画まで問題視されることになってしまいました。
リストラ問題
コロナショックとこれまでに書いたことからdivは経営不振に陥り、約600人いた社員の半数である約300人をリストラしているようです。
順を追って簡単に説明すると、
- 2020年8月、一部の社員の給料カットと自宅待機
- 2020年8月~2021年3月、休業者数が100人から135人まで増加
- 2021年3月、希望退職者の募集。結果100人が希望退職に応じる
- 同年4月下旬、退職勧奨が始まる。しかし思ったほどの人員が集まらない
- 同年6月2日、130人に解雇予告通知書が送られ30日後の解雇。リストラ発表。
最終的に希望退職者とリストラされた方を含めて総勢で300人ほどが会社を辞めることになってしまいました。
これは実際に会社に雇用されていてリストラされた人が告発して明るみになっています。
ただこういったことは現代のコロナの影響でどこの企業でもあり得ないことはなく、一概に悪いとは言えません。
ただこの時のマコなり社長の発言に問題があったのです。
社内スピーチで話している内容がyoutubeにも上がっていたので私自身も見てみました。
- コロナでの想定していた売上がなく経営不振に陥った、それが故に人員整理に踏み切ったということを話した後、責任問題について語り始める
- 経営責任のすべては社長である自分の責任であると認める
- ただ自分が処理できるのは自分のことだけで、皆さんは今後自立してほしい
- 結果が出ている時は全てが正当化される、ピンチになり経営陣や誰かのせいにしたい時に自分の責任として捉えることが大切
- 被害者意識を持つな、何も始まらない
- あまり意味の分からない自分の思考である第一章~第四章を語り始める
簡単に説明するとこういった内容です。
特に悪びれた様子もなく、淡々とこのリストラ問題について語っていました。
ここで反論する要素としては、自分も雇用者も「全て自己責任である」といったところになるでしょう。
実際に雇用されている人にとってはこの点が一番気にかかると思います。
経営不振に陥ったのは社員の誰のせいでもありません。
謝罪の意思よりも責任問題を先に掲げられれば、当然ながら会社を信じて雇用されていた人にとって腹正しくなるのは当然の気持ちです。
特に会社の未来に貢献しようと時間と労力を費やしてきた方もたくさんいると思います。
マコなり社長は自分のことしか考えず、謝罪の言葉すらないとなおさらそうなるでしょう。
(動画の中に謝罪の言葉がないだけで、実際には謝罪しているかもしれませんのでここに関しては不明です)
ただ私自身の見解としては他にもあります。
そして追い打ちをかけることがありました。
Mac100台プレゼント企画
このリストラ問題の後にyoutubeで「Mac100台プレゼント企画」として2021年7月10日に投稿しています。
金額にして「1200万円相当」と動画内にも掲載されていて、これは日付を見て分かる通りリストラ問題の後です。
これが告発される一つの大きな要因であったことは間違いないでしょう。
当初は大きな反響がありました。
「一大企画」
「さすがマコなり社長」
「感謝しています」
といった声も多数上がっています。
しかし、リストラ問題が明るみに出てこのこと自体が炎上のきっかけとなってしまいました。
リストラされた方にとってはそんなお金があるならば、と思うのは当然です。
腹が立つのも無理はありません。
当事者にとってはまだ再就職先が決まっていない方もいるかもしれませんし、生活をする上で先が見えずに路頭に迷っている方もいるはずです。
そしてこのプレゼント企画ではまだMacが実際に手に渡った方の声がなく、当選発表の前に住所や電話番号などの情報を記載しないといけなかったらしく、不審に思う方も少なからずいたようでした。
この点に関しては、これまでのマコなり社長の動向や信用問題を考えると私だったら応募しません。
これはリストラ問題とか関係なくです。
自分の情報を人に教えるのは危険であり、それもこんな私利私欲のプレゼント企画で情報を開示することでもありません。
悪用されることは無いかと思いますが、今のご時世は何をするにしても情報開示が求められて当たり前のようになり、警戒心が昔よりも薄くなっている傾向になっています。
リストラ問題からは若干内容がずれてしまいましたが、悪用されたとしても自己責任が問われる問題になるので注意が必要になるかと思います。
二つの問題を踏まえた上での見解
私自身が思う見解は、「マコなり社長が言うことも一理ある」ということです。
これはマコなり社長が「自分が理解できるから他者も理解できる」「価値観(能力の差異も含む)がそもそも同じで平等にある」という前提がある方と解釈して考えています。
リストラ問題については、雇用される側も自己責任です。
雇用先は入社する前に自分で選択して応募、入社試験や面接を経た後に採用といった形になるかと思いますが、そもそも自分が選んでいます。
最終的にこうなったのは経営上ではマコなり社長の責任です。
しかし雇用される前提の中に、リストラされるかもしれない前提も含まれているこということも理解しておく必要があるかと思います。
今回はたまたまdivが取り上げられていますが、雇用という制度に対して過大な期待を持ちすぎる傾向もあるのも事実であるのではないでしょうか。
そしてこのリストラされてしまったという自分のピンチが、失敗ではなくこの選択をした自分にも責任があると思い、この過程を踏まえたうえで未来を築いていくという意味もマコなり社長の言葉には含まれていると思いました。
ただこれをマコなり社長本人が言ったことが問題なのでしょうが、私自身としては、こんな社長についていこうと思った自分が間違いだった、所詮この程度の人だった、と思い、早い段階でリストラされたことをプラスに考えて、先の人生を歩めるチャンスをもらったと考える方が利口だと思います。
感謝、謝罪の気持ちや言葉をまっすぐに言える方でないと私だったとしても付いていきたくありません。
実際にマコなり社長自身も自分を含めて自己責任と言っていますが、まっすぐな謝罪の言葉よりも「コロナ」「責任問題」といったワードを出しているということは、少なからず他者や環境問題が責任のどこかにあることを意味しているかと思います。
そして今後は雇用に対して過度な期待をしないことでしょう。
今回このようなことが起きたということは、今後も同じことが起こりうるかもしれません。
これからの社会はIT関連が強くなってくる一方、その中での競争も激しくなることは予測されます。
そして海外からの思考論や価値観が日本にも導入されてきていますから、これまでの働き方とは違ったものになってくるでしょうし、特にまだ確立されていなくて曖昧な部分も多いです。
そういったことを踏まえると、今後は混乱する世の中になるのではないかとも私自身では思います。
終身雇用が難しいと言われる現代だからこそ、自分の身は自分で守ることが必然となってくるでしょう。
そしてMac問題ですが、これはもう問題外です。
配るつもりがあるか無いかは分かりませんが、今の状況下の中でこの攻めの手をとっても逆効果でしかないでしょう。
マコなり社長はおそらく今迷走しています。
一定の信者は肯定するでしょうが、一度信用を失った人ですから批判せずとも放っておけば自分から勝手に滅んでいくのではないでしょうか。
最後に
ここまで批判の声が増えたのはそもそもリストラ問題もありますが、私としてはマコなり社長がyoutubeで大口を叩いて自らの論を唱えてきましたが、実績と言葉や行動の矛盾が多きすぎたからではないかと思っています。
私自身も実は約2年前にマコなり社長のyoutubeを知りました。
最初は勉強になると思って動画を見ていましたが、途中から胡散臭い内容だったり、賛否両論のどちらかに偏りやすい極端な内容を理由に見るのを止めています。
最初にも書いた通り、私は信者でもなければアンチでもないのでどう転んでも関係ないしどうでもいいのですが、マコなり社長を知っていてニュースが上がっていたのでこの記事を書きました。
一人の人間の意見ですので、叩いてもらっても構いません(笑)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。